7割方気持ちよくなれるクソデッキ

MTGのスタンダードで気持ちよくなれるデッキを紹介しています。デッキの成功例とかを挙げてるtwitter(https://twitter.com/bye_alter)。デッキ構築とかドラフトをたまにするyoutube(https://www.youtube.com/@alter_mtgch)

独創力のすゝめ

 ≪不屈の独創力≫の布教がしたい!(唐突)

 というわけで今回は独創力を気になっている人に向けての紹介記事となります。

※フォーマットはパイオニアです。

 

 

不屈の独創力ってどんなデッキ?

 まず大前提として≪不屈の独創力≫とはどんなカードで何をするデッキなのか。

速報枠よりも断然こっちの絵が好き

 

 ≪不屈の独創力≫とはX赤赤赤のソーサリーで、アーティファクトやクリーチャーX個をそれぞれライブラリーの上から捲れた別のカードに変えるというカード。

 ここで、デッキ内のアーティファクトやクリーチャーを踏み倒したいフィニッシャーだけで構築することで、≪不屈の独創力≫によって確実に狙ったものを踏み倒して勝つ!というコンボデッキ。

 

デッキの構成要素はざっくりと

・独創力

・フィニッシャー

トークン生成手段

・妨害

・ドロソ

に分けられる。極論を言えば独創力とフィニッシャーさえあれば成立するコンボなので自由枠が非常に多い。フィニッシャーしかり自由枠しかりで個性を出しやすく、思い描くゲームに沿って構築することができる。コンボデッキが好き、という人だけでなく、デッキ構築が好きという人にもオススメです。

 

採用されるフィニッシャー

 アーティファクトやクリーチャーであればなんでも踏み倒すことができるため、採用されるフィニッシャーは多岐にわたる。それぞれ特色があるのでフィニッシャーを差し替えるだけでも全く違う色を見せてくれる。ここではまずメインボードで採用実績のあるフィニッシャーをいくつか紹介しよう。

 

≪世界棘のワーム≫+≪歓楽の神、ゼナゴス≫

 15/15トランプルのワームをゼナゴスの効果で30/30速攻にしてワンパンする。独創力の原点って感じがして好き。≪世界棘のワーム≫は墓地に置かれた時ライブラリーに戻り、≪歓楽の神、ゼナゴス≫は素キャストも容易なためどちらも素引き耐性がそれなりにある。≪世界棘のワーム≫に追放除去を当てられてしまうと悲惨なことになるので気を付けよう。

 

≪パルン、二ヴ=ミゼット≫+≪先見者、二ヴ=ミゼット≫

 ドローするとパルンがダメージを飛ばし、ダメージが飛ぶと先見者でドロー、というループになる。とてもオシャレ。2体が並ぶと除去の上から誘発で無限コンボに突入するため対処手段がほとんどないのが魅力。

 一方、2体が揃わないと効力を発揮しない。もしどちらかを引いてしまった場合は頑張ってライブラリーに戻すか、≪パルン、二ヴ=ミゼット≫だけでゲームを組み立てられるようにしよう。

 先見者の方はパルンがいないと何もしない。そのため、私はこの2体のことを親しみを込めて"強い方の二ヴ"と"バニラの方の二ヴ"で呼び分けている。

 

≪奔流の機械巨人≫

 ≪奔流の機械巨人≫から≪マグマ・オパス≫や≪崇高な天啓≫などを踏み倒す。機械巨人が瞬速持ちのおかげで隙が少ない仕掛けが可能。独創力依存度が低いので出力が安定しやすい。ただ、打ち消しだけでなく墓地対策の影響も受けてしまう点や、独創力に加えて踏み倒すインスタントやソーサリーが枠を取っているため、サイドボードでの柔軟性が低下するという点が課題。

 

≪偉大なる統一者、アトラクサ≫≪恐怖を喰らうもの、ヴァルガヴォス≫等

 単体で強いフィニッシャーを並べるタイプ。カードパワーの暴力。アトラクサ1種類の時代もあったが、ヴァルガヴォスが出たおかげで各1枚ずつの採用が主流となった。軽い強いカードが増えている中でX=2でしか機能しない構築が間に合わないことが増えてきている。じゃあX=1で勝てた方がいいよね。それなりのインパクトはあるが後続が続くわけではないため、出したクリーチャーのバックアップが重要。

 

≪宝物庫生まれの暴君≫

 出たとき誘発による手札とライフのアドバンテージで圧倒する。単体で完結しているクリーチャーが自身とシナジーを発揮するのが強力で、X=1でも最低限の出力があり、Xを2以上にすると効果が指数関数的に増加していく。ただし、どこまで行っても6/6トランプルで殴り合う必要があるので出力不足を感じることもある。

 

 

 メインボードに採用されている主要なフィニッシャーはこのくらい。メインボードではどんな相手に対しても活躍して欲しい。そのため、即死コンボ/除去耐性/アドバンテージなどの確実なリターンが求められる。

 しかし、サイドボードになると特定の相手にクリティカルであれば採用できる。このピン刺し枠はかなり趣味趣向が現れるので、独創力のリストを見ることがあれば是非注目して欲しい。以降はサイドボードで見かけるカードたちの紹介です。

 

 

≪船砕きの怪物≫

 無難なフィニッシャー。独創力を通せないようなコントロール相手などに使われる。本人が瞬速持ちの打ち消されないクリーチャーということで隙を見て通す。呪文やパーマネントのバウンス能力で相手を封殺しやすい。とにかく堅実なカード。

 

≪古代のアダマンタイマイ

 アグロ絶対殺すマンその1。最近は叫ぶ宿敵というインチキカードのせいで、アトラクサやヴァルガヴォスなどの絆魂持ちのデカブツ出したからといって全く安心できない。そこで登場したのがこのカード。一言で言うとライフが20増える。更に、伝説のクリーチャーではないため寓話でコピーできる。毎ターン20点以上出してね!当然勝つ。寓話を除去しようにも火力除去はアダマンタイマイが肩代わりするので赤では触れない。つまり勝つ。

 

≪嵐潮のリバイアサン

 アグロ絶対殺すマンその2。採用実績はあまりない。

 ご存知ない方も多いと思うのでテキストの紹介から。島渡りを持つ8/8のクリーチャー。飛行or島渡りを持つクリーチャー以外の攻撃を封じる。さらにすべての土地に島タイプを与える。

 相手は殴れずこっちはアンブロ3パンでGG。飛行の攻撃は通るし本体火力も防げないのでアダマンタイマイに比べると僅かに不安要素はある。ただ、緑単信心を筆頭とする愚直なビートダウンは全否定できるためアダマンタイマイに比べて効果的に働く対面が多い。素引きケアの意味も込めてアダマンタイマイリバイアサンを1枚ずつ採用するのが好み。

 

≪永遠曙光の伝令≫

 アグロ殺すマンその3。負けない。よって勝つ。

 赤単、緑単等々押し付け性能全振りデッキは触れないので勝ち。アダマンタイマイリバイアサン、アブソリュートヴァーチューなどと思想は同じ。サイズが心許ないので勝つまでが面倒くさくなる可能性はある(到達持ちのデカブツのせいで殴れない等)。

 アダマンタイマイでもリバイアサンでもどれを選んでも大差ない。何をケアするか、役割範囲をどこに求めるかによって決めるといい。つまり好み。

 

≪狂気の種父≫

 コンボ殺すマンその1。各プレイヤーの終了ステップにお互い全ハンデス。手札にリソースをため込む必要があるデッキを否定する。それなりに採用されているのを見かける。好みじゃないので使ったことはない。

 

≪自由なる者ルーリク・サー≫

 コンボ殺すマンその2。ノンクリーチャー呪文を唱えるたびにそのプレイヤーに6点ダメージ。ロータスコンボのようなスペル連打するデッキには致命傷になる。ただし、こちらもノンクリーチャーデッキなので相当に痛い。

 

≪ファイレクシアへの門≫

 クリーチャー+αでサイドインされる。狂気の種父やルーリクサーは与える影響は大きいものの除去耐性はない。アトラクサだって手札は増えるがピン除去1枚で対処されてしまう。そこで、除去を多投してくる相手に他カードのバックアップとして採用されているのだと思う。使ったことはない。

 

 

 独創力の魅力の1つがこの多様性。ピン刺しのデカブツを確定サーチして戦うので、尖った性能のクリーチャーを活躍させやすい。除去のない相手なら除去耐性のないクリーチャーでも強力だよね。

 ピーキーなフィニッシャー1枚でグチャグチャにできるので、苦手な対面をどうにかしたくなったらオタクカードを探す旅に出る。楽しい。

テキスト確認→うげぇって顔される、この流れがたまらん。

激キモ生物を叩きつけて相手を怖がらせましょう。

 

 

独創力のカラーリング

 フィニッシャーだけでも多様なこのデッキだが、アーティファクトやクリーチャーを採用できないだけなので意外と構築の幅が広く、フィニッシャーだけでなくカラーリングまで自由に選択することができる(グルールだけは緑の強い部分が構築制限で消えるので無理)。ここではそれぞれのカラーリングの特徴を紹介する。

 

イゼット

 一番メジャー。コントロールのフィニッシャーとして独創力を据えている(ことが多い)。激しく有利な相手がいる、というよりはどんな相手にも対応することができる。

 打ち消しによる対応範囲の広さと≪推理≫という強力なトークン生成呪文、さらに≪星間航路の助言≫や≪時を超えた探索≫などのドローソースのおかげで独創力にアクセスしやすい。出てしまった脅威に対処するのはちょっと苦手。除去枠が基本的に≪火山の悪意≫4枚から始まることが多いのでアグロに対して間に合わないと感じることもある。

 

ラクドス(タッチ緑)

 最近のお気に入り。ハンデスで押し通した独創力からゲームを展開するミッドレンジ。

 ハンデスの安心感と強力な黒除去が魅力。≪致命的な一押し≫と≪思考囲い≫ってカードが強い。ハンデスのおかげで独創力を通す力が強い。一方、リソースを失うカードが多く、独創力を探す力に乏しいのでグダグダと負ける事もある。

 

ボロス

 ボロストークンが追加で必殺技を搭載している。

 白って色が割と万能。リソース源も除去も強い。≪婚礼の発表≫≪清掃人の才能≫≪放浪皇≫などアーティファクトやクリーチャーを採用せずともボロストークンとして成立している。また、≪安らかなる眠り≫や≪真昼の決闘≫などのサイドカードに優秀なものが多いのも良い。≪沈黙≫で相手を黙らせてから確実にワームを走らせるなどの力技も可能。

 盤面干渉力が強いものの相手の行動を見てからの対処になるのでロータスコンボなどにはめっぽう弱い。

 

ジェスカイ&グリクシス

 試したことがないので正直よくわかっていない。

 想像で語らせてもらうと、どちらもベースはイゼットコントロール寄りの思想。ジェスカイは白のおかげで対応力が強くなっており、グリクシスでは独創力を通す力が強くなっている。

 

 

 ここまで紹介した各色の特徴はあくまで一般的なリストでの話なので、採用されるフィニッシャーや細かいカードの差異によって戦略も違ったものになってくる。特に、最近のイゼットのリストは≪検閲≫を採用してドロソが抜けており、≪声も出せない≫などの低マナ域の除去を採用するなどゲームレンジを前倒しにする傾向が見られる。

 

 

独創力を組もう

 ここまで読んで下さっているということは独創力が気になって組みたくて仕方がないという方だと思います。デッキを組むとなればリストが欲しいはず。でも前述の通りとにかく型が多い。検索をかけても色もフィニッシャーもバラバラで、どこから手を付けていいのか分からない!

 お任せください。ここでは自分がどうやってデッキ構築をしているのかを紹介します。

 

1.フィニッシャーを決める

 まずは軸となるフィニッシャーを決めましょう。使ってみたい、強そう、イラストが好き等々理由は何でもいいです。とにかく自分好みのデカブツをフィニッシャーにしましょう。

 

2.ゲームプランを決める

 選んだフィニッシャーが何ターン目に出るのが一番強いかを考える。単品で強いアトラクサやヴァルガヴォスなら早ければ早いほど影響は大きい。逆に、出たターンに勝つようなコンボなら早さよりも確実さが重視される。このように、自分が選んだフィニッシャーはいつ出てくるのが一番強いかを考えると、独創力を打つまでのゲームプランも見えてくる。

 

3.カラーリングと周辺カードを決める

 2で決めたゲームプランでは何が求められるのかを考える。ロングゲームをするためにアドバンテージが欲しい、最速で独創力を打つから妨害は軽いものがいいなど。欲しい要素によってどの色が合っているのかを選ぶ。

 色が決まったら細かい部分は昔のリストを漁っていい感じのものを参考にする。適宜自分の好みでいじる。細かい採用枚数やサイドボードは実際に試す。

 

完成!

 

 自分は1から作る時にはこんな流れでデッキ構築をしている。よく分からないけどとにかく組みたい!という方は好きなフィニッシャーと好きな色でリストを探してみるところから始めるのがいいと思います。使っていくとどんどん理解と好みが形成されていくはず。

 

 

あとがき

 ここまで読んでいただきありがとうございます。独創力への愛と考えている事を概ね全て書き残したつもりです。この記事を読んで独創力が気になった方は是非組んで下さい!執筆時は通常版で400円、Foilでも1000円程度なので買い得ですよ。

 

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独創力オタクカード紹介(蛇足)

 テンプレリストには載ってないけど自分は気に入っている独創力のオタクカードを紹介します。したいだけ。

 

≪検体探し≫

 

 黒2マナのソーサリー。邪魔者トークンを生成し、履修を行う。

 テキスト全てが便利。除去を考えると邪魔者は独創力のタネにはし辛いが、できないよりはずっといい。また、死亡時に1点ゲインがあるので対アグロのチャンプブロッカーとしての性能が高い。

 履修も強い。≪環境科学≫でマナベースを安定させるのもいいし、≪害獣召喚学≫でさらなる時間稼ぎをするのもアリ。≪封印突破法≫でメインから無理なく置物に対処もできる。さらに、手に持っているデカブツをルーティングしてリアニの準備をすることもできる。2マナとは思えないほどに対応力が高い呪文となっている。

 

≪腐敗した再会≫

 

 黒1マナのインスタント、2マナのフラッシュバックを持つ。墓地のカード1枚を追放して腐乱を持つゾンビを生成する。

 墓地対兼トークン生成(兼対プレインズウォーカー)。コンボをサポートするカードでありながら墓地対にもなる。フェニックスやパルヘリオンなどには効果的だし、そうでなくてもインスタントでのトークン生成なので無駄になることはない。また、フラッシュバックを持っているおかげでルーティングのコストに充てやすいのも〇。

 

≪炎の侍祭、チャンドラ≫

 赤3マナのプレインズウォーカー、初期忠誠度は4。+0能力1つ目は自分の赤いプレインズウォーカーに忠誠度カウンターを乗せる。+0能力2つ目は1/1速攻のエレメンタルを2体生成してターン終了時に生け贄に捧げる。-2能力は墓地にある3マナ以下のインスタントを対象とし、それを唱えられる。

 トークン生成は分かりやすくコンボに貢献してくれるが、このカードの真価は-2能力。≪推理≫や≪神々の憤怒≫を踏み倒すだけのように思われるが、墓地にある独創力を任意のXを設定して唱えることができる。パッと見独創力を唱えられなさそうに見えるので全然警戒されない。

 コンボに貢献する能力を持ちつつ、リソース補充や除去のかさましにもなってくれると器用な子。唯一の欠点は競合する3マナ枠が寓話であること。

 

≪街道筋の強奪≫

 赤2マナのソーサリー、2マナで計画できる。手札1枚を捨てるが土地1つを生け贄に捧げると1ドロー。

 2種ニヴ型専用カード。でもニヴ型には絶対に入る。とにかく計画が偉い。5ターン目に独創力を打ってフルタップでターンを返したら殴られて負けた、≪岩への繋ぎとめ≫が飛んできて負けた、という事態は2種ニヴ型ではそれなりに発生する。それを助けてくれるのがこのカード。計画しておけば独創力を出して即座に無限コンボに入ることができる。

 また、計画しておけるルーターというのが非常に使い勝手がいい。マナを支払うタイミングと手札を捨てるタイミングが別々なのでそれぞれ余裕のある時にコストを支払うことができるのが魅力的。特に、今使っているイゼットの型は3ターン目以降は三歩先などの打ち消しを構え続ける事を目指しているので、2ターン目までに後々の動きの安定感に投資できるこのカードが光る事が多い。

 

≪不可能性の除外≫

 青2マナのインスタント。ターン終了時まで対戦相手のクリーチャー全てを-2/0修整し、調査を行う。

 独創力のタネを作りながら1ターンの延命ができる。独創力を引き込みたい場合はキャントリップと延命にもできる。すごい!

 このカードを採用していた時期にデッキを貸したことがあったのだが、「今すぐ抜け」「いってつも破り捨てるレベルのオタクカード」との評価を受けた。ウケる。