今回のコンセプト
「アガサの魂の大釜」で「荒々しい三つ子」を三回投げて勝つ
デッキリスト
コンセプト説明
今回の主役は「荒々しい三つ子」と「アガサの魂の大釜」
荒々しい三つ子:戦場に出たとき、これがトークンでないならコピートークンを2体生成する。死亡した時、「荒々しい三つ子」という名前の各クリーチャーの上にこれのパワーに等しい数のカウンターを乗せる。
アガサの魂の大釜:カウンターが乗っているクリーチャーはこれによって追放されているクリーチャーのすべての起動型能力を持つ。タップで墓地にあるカード1枚を追放する。それがクリーチャーなら自分のクリーチャー1体に+1カウンターを乗せる。
注目したのは大釜の条件が[カウンターの乗っているクリーチャー]だけだということ。そして、三つ子は1体が死亡した時他の2体にカウンターが乗る。つまり、1体に自壊能力を与えて死亡させれば、残りの2体にカウンターが乗るのでそれらも自壊能力を持つ。そこで、投げ飛ばしの自壊手段を持つ「ヴォルダーレンの興奮探し」の能力を与えることにした。このデッキは三つ子に興奮探しの能力を与えて全員投げ飛ばして勝つ!というデッキ。
三つ子1体に大釜でカウンターを乗せる。そいつを投げ飛ばすと、4点ダメージを与えて残り2体のパワーは7。2体目は7点、3体目は14点で投げ飛ばせるため4+7+14=25の計25点ダメージのワンショットとなる。
融合体シュート解説
根導線の融合体:本体サイズは5/5/5(試作2/2/3)。5マナ+生け贄でパワーの3倍を参照しX/Xのゴーレムを生成する。ターン終了時までそれは速攻を持つ。起動はソーサリーとしてのみ行う。
仮組みの段階では単に大釜に入れて腐らない軽い生物として採用していた。しかし使っていくうちに起動型能力にタップが必要なかったり、出てくるトークンが速攻を持っていたりと悪用できそうな部分が多く感じた。具体的には大釜で希望の神と融合体の能力を与えれば、タップでマナを出しつつ生け贄に捧げてより大きいトークンを生成できる。そこにカウンターをのせる手段さえあれば無限にマナを出しながら大きくなる。
問題は出てきたトークンにどうやってカウンターを乗せるか。赤緑ということで「群れの希望、アーリン」なども考えたが本体がヘイトを買いやすい上に4マナと微妙なマナコストが動き辛かったので不採用となった。
そこで、改めて出てくるトークンを確認したところ”アーティファクト”である。つまりアーティファクトが出たときに誘発する「ヨーティアの造反者」でカウンターを乗せることができる。
コンボパーツは「根導線の融合体」と「囁かれる希望の神」を追放した「アガサの魂の大釜」、「ヨーティアの造反者」と適当なクリーチャー。たったこれだけで無限にゴーレムが成長しつつ無限にマナが出てくる。しかしこれだけではブロッカー1体に止められてしまう。もちろん興奮探しもいるので投げ飛ばしも視野に入るのだが、せっかく無限にマナがあるのでそれを活用しない手はない。
というわけで融合体シュート最後のギミックは「スランの蜘蛛」+「結婚式への招待状」。無限にマナが出せるのであれば蜘蛛でデッキのアーティファクトは全てサーチ可能。そして招待状はアーティファクトでアンブロ付与してくれるという完璧な組み合わせである。コンボを抜きにしても、蜘蛛は数少ない大釜のサーチ手段としても働くし招待状だってキャントリップを持っているため無駄になることは少ない。
デッキの感想
これはネタデッキの皮を被ったガチデッキ。軽い気持ちでランクマ潜ったらビア・ナラ―とかディミーアフェアリーをばったばったとなぎ倒してしまって驚いた。ガチデッキをコンボで捲った時にしか得られない栄養素がある。ちなみに三つ子より融合体シュートの方が強いしそっちだけに絞った方がいいという説はある。
三つ子からのコンボは1ターンで決めようとすると9マナ必要だし緑トリプルシンボルの6マナのクリーチャーを唱える必要がある点がどうしても悠長に感じてしまう。一方で融合体シュートは造反者さえいれば悪漢などの適当なクリーチャーからも即死を狙える上に、大釜さえあれば残っていれば都度都度クリーチャーに対処されても狙い続けられるという奇襲性能の高さが強い。
大釜はコンボ専用カードのように思っていたがガチデッキにも充分入りうるスペックがあると感じた。何もなくても相手の墓地対策ができ、システムクリーチャーを追放してしまえば後続が全員無視できない脅威となる。興奮探しとの相性補完が特にお気に入りで、大釜が苦手な追放系の除去を全て投げ飛ばしで解決できるようになる点が相方として適性が高いと思う。
個人的大釜のココ好きポイントとして選択肢の多さとその変化幅がある。基本的に1ターンに1つしか能力を増やせないという制約と、追放するクリーチャーによる影響力の大きさが他のカードに比べて大きいということが重要。例えば、希望の神を追放した場合と興奮探しを追放した場合では展開力や相手カードへの対応が全く違うものになる。他のカードの特性を大きく左右するものだからこそ、他にはない影響力があるのだと思う。もしこうしていればリーサルできたんじゃないか、と考える余地が増えて使うのが非常に楽しいカードだった。
2ターン目悪漢からの3ターン目狩人の動きがかなり強い。マナがあればあるほどいい系統のコンボデッキで2ターン目に宝物を出せる悪漢は単体でも充分強い。だが残った1/1はチャンプ要因として使うことが多かった。狩人によって残った本体を確定サーチに変換できるので、悪漢を余す所なく使い切る事ができる。
あとがき
今回のデッキは三つ子も大釜も興奮探しも擦られ尽くしてるからあまり好きではなかったのですが、融合体シュートを思いついてから一気に好きになりました。ランクマに潜ってもコントロールと充分に戦えるレベルなので皆さんもワイルドカード切ってでも試して欲しい。多分このセットでこれ以上に好きなデッキは出来ないんじゃないかな。そのくらいいいデッキ(だと思います)。
話は逸れるけど最後にこれだけは言わせて下さい。なぜ「這い寄る継ぎ接ぎ」君の完全上位互換みたいなカードを出すんですか。同居が想定されてなかったとはいえスタンにまだ居るんですよ。彼の居場所が全くなくなってしまうじゃないですか。使った事があるカードだけに悲しいです。
悲しみを抱えてさようなら。継ぎ接ぎ君もさようなら。次回も楽しみにして頂ければ幸いです。