7割方気持ちよくなれるクソデッキ

MTGのスタンダードで気持ちよくなれるデッキを紹介しています。デッキの成功例とかを挙げてるtwitter(https://twitter.com/bye_alter)。デッキ構築とかドラフトをたまにするyoutube(https://www.youtube.com/@alter_mtgch)

カルノの相棒はナヒリか象か

 近ごろは発見コンボが話題となっていますね。スタンダードだけでもクイントリウスでドレインする型やナヒリ等で速攻を付与する型など様々なものを見かけました。私自身も前回デッキを紹介させて頂いたのですが何を何枚採用するのかは悩みどころだと思います。

 しかし!やはり求めるべきは最強であり最適!ということで今回は

カルノの相棒はどっちか!

「クイントリウス・カンド」VS「ナヒリの決意」

というテーマで考えていこうかなと思います。

 

 

デッキの条件設定

 クイントリスとナヒリを比較するに当たって、共通部分について条件を設定する。とりあえずは

・コピー呪文は3種12枚

・カルノを出すまでに5マナ以下の呪文は引かない

・相手のライフは20点

・お互いの盤面は更地

という条件と仮定する。また、今回考えるのはあくまでそのターン中にコンボのみで勝ちきれる可能性について検討するものであり、次のターン以降の状況有利等に関しては一切考えないものとする。

 また、クイントリウスやナヒリ以外のカードについては考える必要がないので、コピー呪文12枚、クイントリウス4枚、ナヒリ1枚の並び方のみで確率を計算していく。

 

クイントリウスやナヒリの役割の違いと採用枚数について

 これを読んでくださる皆さんならご存じでしょうが軽く解説しておく。

 クイントリスはこれを出した後に10回発見ループを行うことで2×10=20点のダメージを与えてリーサルとなる。一方でナヒリはコピーしたクイントリウスに速攻を付与して攻撃することでリーサルを目指す。ここで、クイントリスはできるだけ早く唱えたいカードであるため4積みが最適、一方でナヒリは出来るだけ遅く唱えたいカードであるため1積みが最適であることは自明とさせていただく。

 

クイントリスver

 コンボが失敗する場合のパターンの余事象として考える。コンボが失敗する場合は

 

①1枚目のクイントリスが出たとき、デッキ内に5マナ以下の呪文が9枚以下である

②1枚目のクイントリスが出たとき、デッキ内に5マナ以下の呪文が10枚で、最後にクイントリスが2枚連続する

③1枚目のクイントリスが出たとき、デッキ内に5マナ以下の呪文が11枚で、最後にクイントリスが3枚連続する

 

この3通りが考えられる。

それぞれ配置の仕方と確率は

 

①は全てのクイントリウスが7~13番に配置されたときで、その確率は(7/13)^4

②は6番に1枚、6or13番に2枚、6~13番に1枚配置されたときで、その確率は32/13^4

③は5番に1枚、5or13番に3枚配置されたときで、その確率は8/13^4

 

合計すると

(7^4+32+8)/13^4≒0.085

これはあくまで失敗する確率なので、成功する確率は1からこれを引いて0.915となる。つまり、クイントリウスverでは9割以上の成功が見込めるということになる。素晴らしい!

 

ナヒリver

 ナヒリは1枚採用で発見ループが終了することもあり計算がとても楽。ナヒリが13ヶ所のうち、3~13番に配置されていればよい。よってその確率は11/13≒0.846となる。

 ナヒリverでは成功率が5分程下がってしまうということが分かる。まあそれでも高い。

 

クイントリウス+ナヒリver

 ナヒリとクイントリウスを両採用という贅沢な型。いっぺんに考えるとややこしいのでナヒリの条件を設定してからクイントリウスの配置を考えていく。

 そもそもナヒリが3~13に配置された場合、カルノのコピーが2体以上生成されており攻撃によって勝てるためクイントリウスの配置を考える必要がない。よって、ナヒリが1,2にあり、クイントリウス込みでも失敗する場合を詳しく考える。

 

・ナヒリが1番目に来た場合

 ナヒリが1番目に来て、かつコンボが成功する確率を求める。
 1番目のナヒリが唱えられるとコピーできずに終わってしまうので、1番目のナヒリが唱えられなければよい。つまり、0の位置に1枚でもクイントリウスがあればいい。よって、その確率を余事象を使って求めると 1-(13/14)^4 となる。ここではナヒリが1番目にある確率の1/13を考慮していないので、それを含めると 1/13[1-(13/14)^4] となる。

・ナヒリが2番目に来た場合

 ナヒリが2番目に来て、かつコンボが成功する確率を求める。
 1番目の時と同様に考えられるので、1の位置に1枚以上のクイントリウスがある場合の余事象を考える。すると、先ほどと同じように確率は 1/13[1-(13/14)^4] となる。

 

 前述したようにナヒリが3番目以降に来た場合は全て成功するので11/13で成功する。以上をまとめると、クイントリウス+ナヒリでコンボが成功する確率は

2/13[1-(13/14)^4]+11/13≒0.886

だいたい9割と言っても差し支えなさそう。

 

まとめ

・クイントリウスver:91.5%

・ナヒリver:84.6%

・クイントリウス+ナヒリver:88.6%

 というわけで今回の結論としては「クイントリウス4積みナヒリ不採用が期待値は高い」ということになった。ただし、これはあくまで前提条件を色々指定しての結果であり、実際は相手のライフやブロッカー、コンボ前に引いてしまったコピー呪文の枚数などによって確立が左右されるため、現実に即したものであるとは言いきれるものではない。あと私がどっかで計算を間違えているかもしれない。ただ、参考になる程度の情報が提供できたらなと思っています。

 

【余談】確率以外に参考になるかもしれないそれぞれの型の長所短所

クイントリウスver

長所

・相手のブロッカーを無視できる

・ライフがかなり回復する

 

短所

・リーサルに届かなかったかつ返しで全除去を打たれた場合、デッキ内のコピー呪文を全て唱えているのでほぼ負けが確定する

・忠誠度能力が挟まるのでソーサリータイミングでしか行えない

 

ナヒリver

長所

・点数が足りなかった場合、ターン終了時のブリンクによって次のターンの立て直しが容易

・ナヒリは1積みでいいため、クイントリウスに比べてサポートの枠を増やせる

 

短所

・ライフが回復しないので詰め切られる可能性がある

・1枚採用が理想だが、引いてしまった場合にワンターンキルできなくなる